お知らせ

【新規取扱】『わかむすめ』が北海道初進出|山口県 新谷酒造株式会社

いつも当店をご利用いただきありがとうございます
四代目、土井優慶です

この度、ご縁がありまして山口県の新谷酒造『わかむすめ』の取り扱いが開始となります

私たち土井商店は北海道で初めての取り扱い、道内1軒目となる北海道の『わかむすめ』正規販売店となります

是非、旭川をはじめ道北の皆様にも広く楽しんでいただければ幸いです

※9月第4週より札幌の根本商店さんでも『わかむすめ』のお取り扱いを開始しております

【新規取扱】わかむすめ

幾度となく訪れる苦難を乗り越えて

山口県山口市の山間にあるエリア”徳地”にて「わかむすめ」を醸す新谷酒造(しんたにしゅぞう)

新谷さん夫婦二人だけで年間2万本程度をつくる小さな酒蔵

ご主人の新谷義直さんが蔵元(社長)として、奥様の文子さんが杜氏として、二人三脚で造り上げる「わかむすめ」

数年前に「わかむすめ」をリブランディングしたとたん、いきなり様々な鑑評会で受賞を果たすなど、勢いが加速しています

しかしここに至るまでは、苦難の連続でした

平成になり跡継ぎのなかった蔵を、孫である新谷義直が三代目として引き継ぎました。しかし、これまで長きにわたり新谷酒造の酒造りを支えてくださっていた杜氏が高齢のため引退し、廃業の危機に立たされます。平成19年ひとりでも造り続ける決意をし、一年中仕込みが可能な四季醸造蔵へと改装しました。しかし造りに関しては素人同然で、苦難の船出でした。それでも毎月毎月、酒造りと向き合うことで自身の酒造りのスタイルを確立していきました。そして社長と杜氏を両方担う蔵元杜氏として、あっという間に10年が経ったのですが、四季醸造蔵へと改修した蔵の梁が損傷。移設を余儀なくされまたしても廃業の危機にさらされましたが、私たちは歩みを止めることなく、ここで造り続ける道を選びました。

わかむすめ醸造元 新谷酒造 公式サイトより引用

もともと蔵を引き継いだ新谷義直さんが蔵元兼杜氏として、蔵の経営と酒造りの両方を担っておりました

というのも、結婚して長女を授かった翌年に、病を理由に杜氏が引退し、従業員たちも同時期に退職してしまいました

残された夫婦二人、ご主人は素人同然ながらたった一人での酒造りを決意して、四季醸造蔵へと改修

経営的にも決して順風満帆ではありませんでしたので、奥様の文子さんは結婚を機に退職していた看護師への道に戻りました

看護師と、そして酒蔵の女将と。

看護師で働く傍ら、子供を背負って酒蔵の仕事をする、そんな二足の草鞋を履き分けること数年、蔵をたずねてきた「イタリアで酒造りをしたい」という若者に触発され、夫婦ともに酒造りに専従する決意をします

しかし、またここで不幸な出来事が起こります

数年前に四季醸造へと改修した蔵の、冷蔵仕込み蔵の複数の梁が損傷していることがわかり、修繕に多額の費用が掛かることが判明します

当時はまだごく一部の日本酒ファンにしか知られていなかった「わかむすめ」

これを機にいさぎよく廃業するか、それとも一向に売れないけれど蔵を存続するか。

新谷さん夫婦は決断に迫られました

「これから返せる見込みのない借金を負ってまで酒造りを続けるのか」

「それとも先祖から引き継いできた酒蔵を守るのか」

「そのためには”酒が売れる”以外、道が残されていない」

そんな苦悩の末、二人が出した結論は「わかむすめ」のリブランディングによる蔵の再興でした

酒造りをすべて見直し、味わいを新たに。その酒で国際コンクールに挑戦して通用しないなら、もうあきらめよう

多くのひとを喜ばせる日本酒「わかむすめ」

これまではご主人が蔵元兼杜氏として酒造りを担っていましたが、蔵の存続をかけて、奥様の文子さんが杜氏へと就任

2017年、文子さんが杜氏に就任すると同時に、梁の損傷により倒壊寸前だった仕込み蔵を移設して再スタートを切りました

夫婦の間では何年もかけて”酒質の再設計”について話し合いがもたれました

「市場に媚びを売るような味わいはいかがなものだろうか」
「しかし多くのひとに手に取ってもらえなければ、酒蔵の存続は危うい」

「ならば、私たちが考える”多くの人たちに喜ばれる酒”を目指そう」

そうして生まれたのが新生「わかむすめ」でした

『酒造りを一から見直す』

これは今までご主人が担ってきた酒造りを踏襲せず、仕込みや配合、酵母に至るまですべてを見直す作業となりました

ときには醸造の専門家だけでなく、同業の酒蔵へも教えを請いました

そうして生まれた「わかむすめ」は華やかだが、飽きの来ない上品な味わいに

まず味わいを設計し、そこから連想されるラベルデザインやネーミングを後追いで決定していく

キラキラと輝くようなラベルもまた、多くのひとに手に取ってもらえるよう、日本酒らしくせず趣向を凝らしたもの

「私たちのような小さな蔵は、まず手に取ってもらうところからがスタートだと思って」

気恥ずかしそうに語った新谷文子さん

しかし、この頃から新たな酒質や取り組みが評価されはじめ、様々なコンテストで入賞を果たすなど注目を集めます

「わかむすめ」が誇る、輝かしい受賞歴の数々

新生「わかむすめ」の破竹の勢いは、様々なコンテストの受賞歴を見ても明らかです

これらはすべて文子さんが杜氏となり、新たな「わかむすめ」が誕生してから受賞歴となっています

■平成30年KURA Master 純米酒の部 金賞
ブリュッセル国際コンクールSAKE selection 純米酒の部 プラチナ賞
■平成31年IWC SAKE部門 純米吟醸酒の部 ブロンズ賞
■令和2年全国新酒鑑評会 入賞
■令和2年KURA Master 純米大吟醸酒の部 プラチナ賞TOP5
純米酒の部 金賞
■令和2年広島国税局清酒鑑評会 純米酒部門 優等賞
■令和2年燕子花 IWC2020 純米大吟醸酒の部 シルバー賞
■令和2年牡丹 IWC2020 純米吟醸の部 ブロンズ賞
■令和3年燕子花 山口県新酒鑑評会 吟醸酒の部 優等賞
■令和3年燕子花 IWC2021 純米大吟醸酒の部 リージョナルトロフィー賞
■令和3年薄花桜 IWC2021 純米吟醸酒の部 ゴールド賞
■令和3年燕子花 令和2酒造年度全国新酒鑑評会 金賞
■令和3年広島国税局清酒鑑評会
 大吟醸酒部門 優等賞
 純米酒部門 優等賞
■令和4年令和3酒造年度山口県新酒鑑評会
 大吟醸酒の部 最優等賞
 純米吟醸酒の部 優等賞
 西都の雫の部 特別奨励賞
■令和4年令和3酒造年度全国新酒鑑評会 金賞
■令和4年第13回雄町サミット 優等賞
■令和5年令和4酒造年度山口県新酒鑑評会
 大吟醸酒の部 最優等賞
 純米吟醸酒の部 優等賞
 純米酒の部 優等賞
■令和5年令和4酒造年度全国新酒鑑評会 入賞
 燕子花 IWC2023 純米大吟醸酒の部 ゴールド賞
 牡丹 IWC2023 純米吟醸酒の部 シルバー賞
■令和5年第14回雄町サミット 優等賞
引用元:わかむすめ醸造元 新谷酒造 公式サイトより

土井商店が「わかむすめ」を取り扱う理由

7月のある日、東川の三千櫻酒造の山田社長から一本の電話が鳴りました

「これから店行っていい?」

その、たった一言の電話が「わかむすめ」との出会いでした

山田社長が到着するや否や、ぞろぞろと車から人が下りてきます

「三千櫻」の山田社長、「結ゆい」の浦里美智子杜氏、そして「わかむすめ」の新谷文子さん

山田社長は開口一番

「これ飲んでみて。どう思う。」

目の前に出された2本の酒が「わかむすめ」でした

グラスに注ぎ、一口飲んだ瞬間、山田社長が私たちの店に持ち込んだ理由がわかりました

「めちゃくちゃ、旨いです」

私もすぐにスタッフを呼びつけました

土井商店で最も利き酒能力の優れるスタッフ加藤も異口同音

「これ、めちゃくちゃいいですね」

聞けば、同じ女性杜氏仲間の「結ゆい」の浦里さんをたずねて東川へやってきた新谷さん

飛行機の時間が差し迫っている中、蔵で利き酒をしたとたんに、山田社長が私のもとに電話を一本かけたそうです

「正直、ここまで素晴らしい味わいだとは思っていなかったんだ」

「一口飲んで驚いた、これはもっと多くのひとに知られるべき酒だ」

「しかし北海道には一軒も特約店がないらしい」

「どうか土井さんのところで育ててやってくれないか」

どこに行くとも知らされず、山田社長の言われるがままに車に飛び乗り、土井商店へとやってきた新谷文子さん

車中では土井商店がどんな酒屋なのか、山田社長と浦里杜氏から色々と話を聞いたそうです

そして私も、今まで何度となく訪れた苦労のこと、背水の陣で「わかむすめ」を生み出したこと、これからどんな人たちに「わかむすめ」を飲んでもらいたいのかという未来への展望…

時間にしてわずか1時間程度だったでしょうか

しかし決断するには十分すぎるほどの酒質と、彼女の意気込みでした。

全国でも40軒ほどの取扱店だが、夫婦二人で製造する極少量商品のため、リリースするたびに製造量を大幅に越える注文が殺到する「わかむすめ」

ネットショップ等でも入荷後即完売するため、すでに首都圏でも入手が難しくなりつつある日本酒となっています

ここ数年の、目を見張るような飛躍をイベント主催者に買われ、先日東京で行われた日本酒イベント『若手の夜明け』にも注目の酒蔵としてエントリーを果たしました

これからの日本酒業界は本当に大変な時代がやってきます

ただ「美味しい」だけ、では手に取ってもらえない時代です

どのように美味しさを伝えるのか、どのように発信していくのか、一昔前に酒蔵と酒屋が取り組んでいたことだけでは決して通用しない時代が来ると言われています

そんな中、勇気をもって”廃業”ではなく”存続”を決意した「わかむすめ」

「今までの酒造りを踏襲しない」というリブランディングの決断は、これまでの酒蔵の歴史や伝統、そしてこれまで酒造りを続けてきたご主人への葛藤、支えてくれた多くのファン

様々な苦悩の中の決断だったと思います

しかしそれでもなお「蔵を存続し、多くのひとに手に取ってもらえる酒でありたい」と夫婦ともに願い続け生み出された「わかむすめ」

一口飲んでもらえれば、その美味しさは一瞬でわかるはずです

ところで、日本酒イベント「若手の夜明け」で久々に再開した文子さん(通称ブンコさん)はちょっぴり憤慨しているご様子で(笑)

「美味しいですね!全然名前聞いたことないけど、最近ですか?造りを始められたのは…」

聞けば、イベントで初めて「わかむすめ」を飲んでくれたお客様にこういわれたのだそう

ブンコさんは大笑いしながら、力強く、こう私に言いました

「こちとら、もう10年以上も酒造りしてるわよ。失礼しちゃうわ。」
「…でも、それくらい知られていないってことだから、もっとがんばらなきゃね!!」

もっと多くの人たちに「わかむすめ」を。

そんなエネルギーに満ち溢れるブンコさんの魅力もまた、私たち土井商店が『わかむすめ』を取り扱う理由です

現在のラインナップ

わかむすめ

酒豪の父親のもとで育ち、小さい頃からお酒が食卓にある風景が日常でした。子供心に、お酒は人の心を癒したり、人と人との仲を深めたり、魔法のようなものだという思いがしていました。

「日本酒」は生活必需品ではありませんが、太古の昔から、人と人とを繋げ、「食」をより豊かなものにし、国と国をも繋いで来た、なくてはならない重要なものだと思っています。そんな「日本酒」を造れることに誇りを持ち、感謝を忘れてはならないとも思います。

私たちの蔵は何度も廃業の危機にさらされましたが、その度多くの皆様のご温情を賜り、今もここで酒を造り続けることができています。いつかこの小さな灯が、地域を照らす灯となりますように。楽しかった今日を共に喜び、辛かった今日は明日への糧となるように、誰かの、あなたの、私の心を灯す酒となりますように。そんな想いを紡ぎ、日夜酒造りと向き合っています。

わかむすめ 醸造元 新谷酒造 公式サイト

■ わかむすめ 瑠璃唐草(るりからくさ) 純米吟醸 無濾過生原酒
□ 十二単衣の色目の名を冠する「わかむすめ」の定番酒。四季醸造とはいえ人気が高いために「瓶詰め→すぐ完売→瓶詰め→すぐ完売」を繰り返しているというのだから、見かけたらまず買っておくこと推奨。香りは甘やかなメロンを連想するフルーティなもの、口に含んだとたんに「うまい」と思わずつぶやくほどの、ファーストインプレッションのよさ!甘みは優しく柔らかく、上品な飲み口に軽やかな余韻。フルーティなのに後味が淡く、スルスルと何度も口に運んでしまう魅力がある。少し塩気のあるおつまみ、生ハムやマリネなど少し洋風のニュアンスのある料理と一緒に楽しんでほしい。
□ 1800ml 3,520円 / 720ml 1,760円