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【試飲レビュー】静岡県『駿州中屋 山廃純米 辛口 ひやおろし』は富士山伏流水仕込み!秋の食材と一緒に☆冷酒よりも常温、ぬる燗がおいしい秋酒!

こんばんは☆
土井商店 四代目、土井優慶です^^

9月に突入!
ドンドン入ってくる秋の日本酒「ひやおろし」

今日は数ある秋酒の中から、コレをチョイス☆
毎年ついつい買っちゃうコク旨系ひやおろしなのです!!

駿州中屋 山廃純米 辛口 ひやおろし

静岡県 富士高砂酒造 『駿州中屋 山廃純米 辛口 ひやおろし』
すんしゅうなかや やまはいじゅんまい からくち ひやおろし

日本一の名峰、富士山を有する富士宮市にある酒蔵さんです☆

ビンの肩に貼ってある「甘焦(ばなな)、ぴりっ、スパッ」が気になる秋のお酒^^

富士高砂酒造ってどんな酒蔵?

創業は静岡ではなく、滋賀だそう

1820年(文政年間)頃に滋賀県蒲生郡日野町の山中正吉が創業
1831年(天保2年)、現在の地に「酒蔵」を構え酒造りを始めたそうです

この地域は清涼な水資源に恵まれています

というのも、富士山の雪解け水が地中にしみこみ、伏流水となって湧き出るのです

富士高砂酒造さんの敷地内にも、こんこんと伏流水が湧き出ていて、それを”仕込み水”として利用しています

そして…

石川県の技巧派酒造集団「能登杜氏(のととうじ)」による酒造り

実力ベスト3を決めるだけに飽き足らず、能登杜氏は1位からビリまで順位付けするという超実力派杜氏(苦笑)

※ちなみに昔、杜氏という職業は春~秋は米農家、秋~冬は酒造りと季節労働が主でした

代々、受け継がれる能登杜氏の卓越した酒造技術

  • 富士山伏流水の超軟水による優しい味わい
  • 蔵に住み着いていた微生物の力(蔵付き酵母と呼ばれます)

巧みに絡み合って、この蔵にしかない唯一無二が生まれます

それが『高砂流”山廃”仕込み…富士高砂酒造を語るには欠かせない伝統製法になっています☆

水の良さ=酒の良さ

当店のお客様なら必ず聞いたことのあるベストセラー

『駿州中屋 辛口純米(すんしゅうなかや からくちじゅんまい)』

キレの良い辛口ももちろんですが…
スッキリとして清々しくも、優しい飲み口

この特徴こそがまさに「富士山の伏流水」によるもの

お酒をひと口飲む度たびに、水の良さがひしひしと伝わってきます

山廃(やまはい)って、どんな製法?どんな味?

日本酒を飲み始めると必ず耳にする専門用語の一つ

山廃仕込み(やまはいじこみ)

当店のお客様のために、とってもわかりやすく言うなら、

酒造りにおいて…

  1. 米が溶けやすいようにすりつぶしてたけど、大変だから止めた
  2. 空気中や蔵の中をふわふわ漂ってる乳酸菌の力を借りて発酵させた

①の作業を「山卸(やまおろし)」というのですが…

その工程を廃してお酒を造った=山卸廃止酛(やまおろしはいしもと)

略して「山廃酛(やまはいもと)」「山廃仕込み(やまはいじこみ)」

ちなみに…

「山廃仕込み」のお酒は、一般的に普通のお酒に比べて、コクがあったり、ちょっとヨーグルトっぽい酸味があったり…個性的な味わいですが、ハマるとクセになる味わい☆

富士高砂酒造さんの造る「山廃仕込み」のお酒は

柔らかく優しく、ほんのり甘みを感じるようなテイスト

さて…この『駿州中屋 山廃純米 辛口 ひやおろし』はどんな仕上がりになっているのでしょうか?

早速飲んでみましょう^^

『駿州中屋 山廃純米 辛口 ひやおろし』の味わいは?

まずは冷やして飲んでみた!

香りは…

ラベルに書いてある通り、確かにバナナ(笑)
しっとりとしたバナナケーキみたいな感じ☆

口に含んでみると…

辛口って書いてあるけど、意外にもクリーミーな質感
はじめはちょっぴり甘みも感じるけど…

ピリピリっとした酸味の刺激感に、辛さが後からやってくる☆

全体的にスッキリしてて…やっぱ物足りない(苦笑)!!

「山廃仕込み」らしさは冷えていると引っ込み気味かな

レンジでチンしてぬる燗にしてみた!

香りは…

香りのタイプはあまり変わらない
燗酒特有の目がシパシパするのはご愛敬☆

口に含んでみると…

ふっくらと甘みもあってまろやかさUP!!

山廃らしい酸味も、メリハリがちゃんとでてきてイイ感じ☆

温まってふっくら甘みは感じるけれど、基本的には辛口^^
辛口と言っても、冷酒特有のシャープな感じではなくて…

ピリッとした酸味を効かせて、余韻をスパーンと切っちゃう辛口感

冷やして飲んでもダメじゃないけど…
というか冷えてても、それはそれできちんと美味しいのだけど!!

『駿州中屋 山廃純米 辛口 ひやおろし』の”ぬる燗”の美味しさに気がついちゃったら…もう手遅れ…

お・し・ま・い、death!!

『駿州中屋 山廃純米 辛口 ひやおろし』に合う料理やおツマミは?

今夜の利き酒には、妻の手料理が待っておりました!
どこかで買ってきた(?)「大長ナス」を使った『焼き茄子 with 鰹節』

「大長なす」というのは超長いなす!!
先日、旭川市内のスーパーで売っているのをゲット

写真があったら見せたいけど、おおよそフツーのなすの3~4倍の長さ
身が柔らかくて、焼き茄子にすると絶品なのです☆

とろーりとした焼き茄子の甘味
水分たっぷりなのに、ナスの旨みも濃厚

そこに、鰹節のコクと酸味がプラス

『駿州中屋 山廃純米 辛口 ひやおろし』の酸味にバッチリ
これはたまらんぞ!!

鰹節も発酵させてつくるから、酸味のテンションが似ているのかも^^

ちなみに、今夜の晩酌メニューは…

『マヨ控えめポテサラ』『油揚げのポン酢かけ』『とりごぼうの味噌汁』

あら、何にでもあうぞ!?
とくに『マヨネーズ控えめポテサラ』に合うのが驚き!!

もしかすると…お酒がもつ独特の酸味に「マヨネーズ」「ポン酢」「味噌」あたりがドンピシャなのかもしれない!!

このお酒は…我が家の晩御飯メニューに最高すぎる!!

まとめ

「山廃仕込み」って専門用語がけっこうイカツイから、
ついつい敬遠しちゃうお客様も多い「玄人好み」のお酒ってイメージ…(涙)

さらに!

飲み方を間違っちゃうと、たぶん二度と買わないお酒

酸っぱいし、渋いし…正直、美味しくなんて飲めません(モノによるけどね)

けれど…

冷やし過ぎないように常温~ぬる燗で飲むともう至福の逸品☆
今日のお酒は秋のお酒「ひやおろし」だから、なおさら旨さも引き立つ

せっかく食べ物の美味しい季節がやってくるので、こういうお酒にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね^^

オススメポイント

  • 冷やすよりも常温で美味しい
  • 常温よりもぬる燗でさらに美味しい
  • ビギナーさんには…向かないかも?
  • 晩御飯メニューと合わせたい!
  • 秋の食材にピッタリ☆
  • 辛口党のあなたに
  • 脱ビギナーへの第一歩
  • 秋のお酒「ひやおろし」のお手本
名称駿州中屋 山廃純米 辛口 ひやおろし
読み方すんしゅうなかや やまはいじゅんまい からくち ひやおろし
製造元富士高砂酒造 株式会社
産地静岡県 富士宮市
原料五百万石、一般米
精米歩合65%
アルコール度数17度
日本酒度+7
価格(税込)1800ml 2,904円 / 720ml 1,463円   ※弊社販売価格