こんにちは☆
土井商店 四代目、土井優慶です^^
気が付くと、店内にたくさん並んでいた「秋酒」「ひやおろし」が数少なくなり、
早くも『しぼりたて』がチラホラ入荷してくる時期になっております^^
今年春からスタートした【試飲レビュー】も不定期更新ながら、皆さんにご愛読いただき、感謝です☆
これから「酒屋が最も忙しいシーズン」に突入しますが、相変わらずの不定期更新にお付き合いいただければと思います
さぁ、今日は2020年新酒を彩る『しぼりたて』として、こちらをチョイス!!
獺祭 寒造早槽 純米大吟醸45 しぼりたて生
山口県 旭酒造『獺祭 寒造早槽 純米大吟醸45 しぼりたて生』
だっさい かんづくりはやぶね じゅんまいだいぎんじょう45 しぼりたてなま
日本酒ファンにはすっかりおなじみ
獺祭(だっさい)
テレビ番組『ホコ×タテ』『カンブリア宮殿』で取り上げられてから、またたくまにスターダムを駆け上がる☆
おそらく日本酒好きな人なら、一度は口にしたことがあるんじゃないかな?
今回は『獺祭』の冬の限定品です^^
旭酒造ってどんな酒蔵?
山口県岩国市の山奥にある酒蔵、旭酒造さん
いまや日本酒ファンで知らない人はいない人気酒『獺祭』をつくる酒蔵です☆
彼らの謳い文句は…
山口の山奥の小さな酒蔵
山奥ですが、ドドーンと大きなビルのような酒蔵!
全然小さくない(笑)!!
いやいや…これはごく最近のことで、昔はこんな感じの酒蔵でした☆
ね、小さいでしょう??
同じ酒蔵とは思えないほどのギャップ!
それもそのはず
旭酒造さんは、現会長である桜井博志さんが立ち上げた日本酒ブランド『獺祭』で急成長した酒蔵
廃業寸前になること、数回…
『獺祭』はいまや欧米やアジアにも多くのファンを持つ、日本を代表する日本酒の一つに成長^^
こんなビルのような巨大な酒蔵を作ったのも、理由があります
あまりの人気ぶりに『獺祭』の生産が追い付かず、転売されたプレミア価格の『獺祭』があふれかえってしまった時に
- 高値で転売、品質も劣化した『獺祭』をお客様に飲んでもらいたくない
- じゃあ、プレミア価格で売れないくらい大量に世の中に流通させよう
- そうすれば、きちんと管理された適正価格の『獺祭』が消費者に届くはず
フツーはそう考えないですが、桜井会長は製造量を増やすため酒蔵建設に乗り出しました(笑)
それはすべて…
お客様に「美味しい酒」を届けるため
どんなに設備が良くなっても、規模が大きくなっても、そのお客様への想いこそが『獺祭』なのです☆
その思いを体現する合言葉、それが今なお『山口の山奥の小さな酒蔵』を名乗る理由だといいます^^
『獺祭』ってどんなお酒?
獺祭
「かわうそ」「まつり」と書いて「だっさい」と読む
その心は???
蔵が位置する山口県岩国市周東町には獺越(おそごえ)という地名があり、そこから一字をとって『獺祭』と命名
カワウソは、取った魚を岸に並べる習性があり、それがお祭りをしているようにみえることから生まれた言葉です
日本酒『獺祭』の大きな特徴は?
簡単にいうとこんな感じ☆
- すべてのお酒が純米大吟醸
- すべての原料は山田錦100%
- 精米歩合の違いだけで3種類
- 杜氏を置かず、データと社員による酒造り
- 一年を通して酒造りを行う四季醸造
『獺祭』にまつわるエピソードはこの記事だけでは書ききれないほどありますから、そこは割愛して…
たぶん皆さんにとって一番うれしかったのは、
高級酒である「純米大吟醸」が手ごろに買えて、しかも美味しい
…ということではないでしょうか?
『獺祭』を飲んで、日本酒が好きになった
人気が落ち着いた今でも、そんな声が聞こえてくるほど『獺祭』のもたらした効果は大きかったように感じます^^
今日のお酒はどんなお酒?
『獺祭 寒造早槽 しぼりたて生』は
毎年10月~3月の半年間だけ発売される限定品です^^
サブタイトルにある
寒造早槽(かんづくりはやぶね)
難しい四文字熟語のようですが、意味はいたってシンプル☆
寒い季節に酒を造り、上槽(じょうそう)したらすぐに出荷する
※上槽とは、お酒を搾る工程のこと
ようするに…
搾ったばかりのお酒をそのままビン詰め=しぼりたて
昔は1.8Lサイズもありましたが、
「フレッシュな風味を損なう前に飲み切ってもらいたい」ということで数年前から720mlサイズのみに変更
毎年、500本以上も売れる驚異のベストセラ―☆
古くからお取引のある居酒屋さんでは…
- 今期分が終了する前にまとめて注文
- 来期の『獺祭 寒造早槽』が発売されるまで冷蔵庫で熟成
- 半年かけて熟成させつつ、お店で提供する
という”ウルトラC”なお店もあるくらい!!
たくさんの人を虜にしちゃう『獺祭 寒造早槽 しぼりたて生』の実力や、いかに!!!!
早速飲んでみましょう^^
ワンポイント専門用語解説
しぼりたて:絞ったら間髪入れずに瓶詰めして即出荷する日本酒の総称。そのため、加熱処理をしない「生酒」であることがほとんど。ちょっぴりシュワシュワしたり、フレッシュで生き生きとした味わいが楽しめるので、日本酒を飲みなれない方でも「しぼりたて」だけは意外とハマっちゃったりする。よく「新酒」と一緒に使われる言葉なので、意味を混同してしまうのが業界の課題。厳密には違うけど、大体一緒と覚えていればよし(笑)
『獺祭 寒造早槽 しぼりたて生』の味わいは?
パッと弾ける「わかりやすさ」が素敵☆
香りは…
あれだよ、アレ!!
昔懐かしいパインアイス!!
あのパインの形をした黄色い輪っかのアイス!!
甘味の強い香りだけど、プンプンに香ってくるわけではなく意外にも穏やか☆
口に含んでみると…
優しく柔らかな質感^^
トロリとした甘みとまったりとした飲み口が余韻までずっと続く
意外なことに酸味は控えめ
しっかり甘みがあって、とってもキャッチーな味わいです☆
だが…それがいい!!
それが『獺祭』である!!!
初心者にも「わかりやすい」味わいって、きっとこういうこと。
日本酒ってなんだか難しそう…
そんな心配なんて一気に吹き飛ばしてくれる親しみやすさ
日本酒の難しい部分を全部とっぱらって、単純明快な部分だけをギュッと凝縮☆
あまり難しく考えず、自分の好きなものと一緒に楽しめちゃう!
「日本酒だから和食じゃないと」なんて、凝り固まった考え方は不要です^^
やっぱり…『獺祭』はお客様の「美味しい」のために!!
一口飲むと、それがよくわかります☆
『獺祭 寒造早槽 しぼりたて生』に相性のいい料理やおツマミは?
そんな『獺祭』にピッタリ合いそうなおツマミ…
仕事帰りに寄ったセブンイレブンでおいしそうなものを発見!!
たぶん地域限定の新商品『海老とブロッコリーのチーズ焼き』
コロナの影響で”家飲みニーズ”が高まっているので、どこのコンビニでも手軽に楽しめるおつまみがゲットできちゃう☆
この『海老とブロッコリーのチーズ焼き』が『獺祭』と本当によく合うのだ!!
コンビニおツマミなのに、意外にも上品な味付け
海老のプリプリとした食感
トロリとまろやかなチーズの質感
その下に隠れた上品な味付けのホワイトソース
え、チーズやホワイトソースが日本酒と合うのかって?
合うんですよ!!
わかりやすいほどにハッキリとした『獺祭』の甘みは、ホワイトソースのクリーミーさとベストマッチ!!
じゃがいものホクッとした質感にも、マカロニのプレーンな質感にも!!
ヤバい、『獺祭』のポテンシャルがヤバすぎる!!
ハンバーグにも、豚の生姜焼きにも、居酒屋メニューにも。
もちろん和食もアリだけど、これならカレーにだって合うかもしれない(笑)
「飲む人がおいしいと思えば、なんでもいいんだよ」
そんなシンプルな喜びを教えてくれるお酒です☆
まとめ
「日本酒は飲酒人口の減少とともに消費が減っている」
「日本では全アルコールのたった8%しか飲まれていない」
うん、そうだよね。
でも…
それって「日本酒の良さをちゃんと伝えられていないから」じゃないのかな?
精米歩合、酒米、製法…どれもとても大切だけど、飲んでくれる皆さんには全く関係がない
なのに「そればかり」が独り歩きしちゃって、酒蔵・酒屋のホームページはそんな情報であふれかえっている
酒蔵の紹介文を見たら…
『○○○』はてっさ(フグの刺身)、サクラエビのかき揚げに相性が良いお酒です
『△△△』は鹿肉のグリエ、合鴨のローストに相性が良いです
え??
それ、どこで食べれるの(笑)??
一番飲んでもらいたい、飲んでもらわなきゃならない消費者の皆さんに「おいおい…」と思われながら、日本酒が見向きもされなくなっていく
口を開けば「国内消費が…」「飲酒人口の高齢化が…」
しまいには「輸出で海外を…」「Japanese SAKEが…」
でも、消費者の皆さんはよく知っています
「美味しいモノ」にはお金を払う価値があることを☆
だからシンプルでわかりやすく、ストレートに「美味しい」が伝わる『獺祭』があっという間に人気になったんじゃないかなぁ
※あくまでも個人的な感想であり、特定の人物や組織、考え方を否定しているわけではありません
そう考えると、
- シンプルに「美味しい」を感じるお酒
- 誰もが気軽に楽しめる料理
この二つが組み合わさったら、もう無敵☆
もっとカジュアルでいいし、もっと気楽でいい…
ソレが伝われば、きっと多くの人たちが日本酒を飲んでくれそうな気がします^^
最後に…
この記事を書き上げるにあたって、旭酒造さんの公式サイトをのぞいてみました☆
トップページにはこうあります
ともすれば一時のワインがそうだったように、
引用元:旭酒造 公式サイト
吟醸酒の世界も、通でなければわからないとか、
理解しづらいモノのように語られます。絶対に違います。
真に美味しい酒は、誰が飲んでも美味しいモノです。
旭酒造は真に美味しい酒を目指します。
「山口の山奥の小さな酒蔵」から届ける「真に美味しいお酒」
規模は大きくなっても想いは一緒、ここには理屈なんてありません☆
にこやかな桜井会長の笑顔がぱっと思い浮かびます^^
理屈なしに美味しさを伝えられる『獺祭』はやっぱり凄かった!!
オススメポイント
- 甘口なお酒が飲みたい
- 日本酒ビギナーさんにオススメ
- あたま空っぽで飲める酒
- Don’t think, Feeeeeel!!
- フルーティ好き☆
- 初心に立ち返りたい人
- 逆境に立ち向かう勇気が欲しい人
- あえて、理屈っぽい人にオススメ(笑)
名称 | 獺祭 寒造早槽 純米大吟醸45 しぼりたて生 |
読み方 | だっさい かんづくりはやぶね じゅんまいだいぎんじょう45 しぼりたてなま |
製造元 | 旭酒造 株式会社 |
産地 | 山口県 岩国市 |
原料 | 山田錦100% |
精米歩合 | 45% |
アルコール度数 | 16度 |
日本酒度 | 非公開 |
酸度 | 非公開 |
価格(税込) | 720mlのみ 1,782円 ※弊社販売価格 |