北海道旭川市にある「日本一お客様に近い酒屋」
土井商店 四代目、土井優慶です☆
秋に発売になる日本酒が入荷のピークを迎えています
毎日毎日、それはもうどっさりと…
荷受けするスタッフが「もう置く場所がありません(涙)」と嘆いておりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします^^
さぁ、今日紹介するのは…
今年新発売になったコレです☆
久保田 千寿 秋あがり
新潟県 朝日酒造『久保田 千寿 秋あがり 吟醸原酒』
くぼた せんじゅ あきあがり ぎんじょうげんしゅ
お父さん世代にとってはヒーローともいえる日本酒☆
平成の日本酒ブームをけん引した新潟県でもっとも有名なお酒です
朝日酒造ってどんな酒蔵?
新潟県長岡市にある日本酒『久保田』を造る酒蔵さん
昭和後期、日本酒業界は安売り合戦真っただ中
問屋は酒屋に対して「日本酒一升瓶を10本買ったら1本サービス」みたいな、今では信じられないような売り方(苦笑)
販売量に応じてリベート(奨励金)を設けて、薄利多売で売っていた過去がありました
だから日本酒蔵もだんだんと疲弊していきます
問屋からは安く納品するよう迫られていましたから、消費者への安売りのしわ寄せはすべて酒蔵へと集中
ここ旭川でも10件近くあった酒蔵が、軒並みつぶれていったのもこの頃
そんな状況に日本酒界の未来を危ぶんだのが朝日酒造です^^
昭和60年に新ブランド『久保田』を発売
発売40年近く経つ今でも、往年の日本酒ファンからは『久保田』の引き合いが多く、その知名度は群を抜いています
日本酒『久保田』ってどんなお酒?
当時、日本酒の販売ルートといえば、酒蔵→問屋→酒屋→消費者 というのが一般的でした
しかし『久保田』は酒蔵→酒屋→消費者という独自の販売ルートを確立しました☆
問屋はメーカーから商品を仕入れて、多くの取引先(スーパー、酒屋など)に販売する業種です
メーカーにとって、問屋を通して製品を販売するのが最も効率的
しかし、安く買いたたかれたり、こだわりが伝わりにくいなど、弊害もたくさんありました
酒蔵さんがどんなこだわりで作っているか、酒屋さんはきちんと管理してくれているか、消費者からどんな声が上がっているか…
細かな部分を大切にしないと「日本酒の未来はない」と考えたのが朝日酒造さん
今までの流通の常識をくつがえす『特約店制度』を武器に、「品質本位、お客様本位」のお酒を消費者に届けようとしました
朝日酒造さんの公式サイトにはこうあります
すべてにおいて、品質本位
その象徴とも言えるのが、創業時の屋号を冠し、1985年に誕生した「久保田」。変わりゆく時代とお客様の声に耳を傾け、”淡麗辛口”という日本酒の新たな方向性を確立しました。そしていまも、朝日酒造は人々の生活を見つめながら、誰もが美味しいと認める日本酒を追い求め、ひたすら酒造りを続けています
引用元:朝日酒造 株式会社 公式サイト
そんな日本でもっとも成功した日本酒が『久保田』なのです^^
ちなみに特約店制度とは?
『久保田』という日本酒の革新的な味わいもさることながら、販売方法もまた革新的でした
それが酒蔵と酒屋の関係のベースとなった『特約店制度』です
- 酒蔵の指定する価格以外での販売禁止
- 横流しの禁止
- 信頼関係における計画生産への貢献
- 酒屋が酒蔵を選ぶのではなく、酒蔵が酒屋を選ぶ
- 酒屋の教育システムの整備
- 加盟店を組織化
- 販売戦略の随時報告…などなど
ここに書ききれないほどの項目があり、それを守って初めて『久保田』の取り扱いを許されたといいます
発売当時からの『久保田』取扱店の店主たちは皆、
「あの頃は大変だった、しかしあのおかげで今がある」
と口をそろえて言うのです^^
…
さて、うんちくは終わりにして…
一時代を築いた『久保田』から初めて秋の限定品が発売になりました!
半年間の熟成を経て、まろやかさをまとった「秋上がり」
新発売となった『久保田 千寿 秋あがり 吟醸原酒』を早速飲んでみたいと思います☆
ワンポイント専門用語解説
・秋あがり:冬から春に絞られたお酒をひと夏越えて貯蔵しておくと、新酒の時のピチピチ感が落ち着いて、旨みがまろやかになる現象のこと。公式サイトでもうちょっと詳しく説明しています☆→コチラ
・吟醸(ぎんじょう):吟味して醸したお酒という意味。具体的には低温でじっくり発酵させて香りや味わいをよくしたもの。アルコール添加したお酒をさすこともあります
・原酒(げんしゅ):できたばかりのお酒は一般的にアルコール度数が高く、通常はアルコール度数を調整するため水を加えるのですが、水を加えないで出荷するお酒のこと。まぁ…カルピスを薄めるのと同じ意味合いです(笑)
『久保田 千寿 秋あがり』の味わいは?
ちょい冷えで飲んでみた!
帰宅後、しっかり冷蔵庫で冷やしてしまったので
室温放置して30分くらい「ちょい冷え」で飲んでみた!
飲む前に裏のラベルを見てみると…なんとアルコール度数が19度!?
気をつけて飲まねばやられるやつだ、要注意
まず香りは…
ほんのーりバナナっぽさがあるけど、お酒特有のツンとくるアルコールぽさはなし
口に含んでみると…
ドシンとくる飲みごたえ!
いつもの『久保田』にはないパンチ力!!
ん~、さすがアルコール度数19度
そのインパクトは伊達じゃない(笑)
味わいは、しっとり、ふっくらというより「肉厚ぽってり」というイメージ
舌の上に触れると、あまりの濃厚さにトロッ感も感じます☆
このぽってり感や濃厚さは、けっして批判の言葉ではなく、
むしろ誉め言葉^^
往年の久保田ファンもびっくりだ
辛口かといわれれば、辛口なような気もするけど…
肉厚な旨味によってほのかに甘みすら感じる☆
余韻には、ほんのり渋みを感じるけれど、
そこはやっぱり『久保田』クオリティ☆
『久保田』は料理と合わせる食中酒をコンセプトにしているので、ある意味「らしく」て好印象
苦みがないと、料理に合わせるときに両方が引き立つことがないので必要不可欠!!
余韻は結構長め
ついつい味の濃い料理に口にを運んでしまう…
しっかり冷やして飲んだら…
まろやかさよりも、キレの良さが全面に出てくる感じ☆
個人的には「ちょい冷え」が好きだけど、スッキリ感を求めるなら冷やした方が多いかも^^
『久保田 千寿 秋あがり』に相性が良い料理やおツマミは?
今日利き酒するお酒を伝えておくと、妻がおつまみを作ってくれていた☆
今夜のおつまみは…群馬県民のソウルフード『子供洋食(こどもようしょく)』
群馬県では有名な”B級グルメ”らしく、テレビでおなじみケンミンショーで見たものを早速作ってみた…のだそう
材料は…
- 電子レンジでチンして、火を通したジャガイモ
- 刻んだ長ネギ
- 干しエビ
- ウスターソース
これらをフライパンで炒めただけ☆
この『子供洋食』が『久保田 千寿 秋あがり』によく合うのだ!!
ウスターソース特有のコクのある甘じょっぱさ
干しエビの磯の風味と香ばしさ
ジャガイモのまろやかさ
肉厚ぽってりな『久保田』にベストマッチ!!
お酒が濃いので、濃い味付けの料理でも全然負けない!!
『久保田』みたいな淡麗辛口のお酒
一般的には、素材感の生きた料理や出汁料理によく合うといわれているけど…
『久保田 千寿 秋あがり』は居酒屋さんにあると、飲みすぎちゃってダメな酒かもしれない(笑)
つまり、居酒屋さんのメニューにピッタリ☆
ちょっぴり濃い味付けの家庭料理にだって合うはずだ!!
豚の生姜焼き、鶏の照り焼き、角煮、タレの焼き鳥…
甘っ辛い味付けのものと合わせて楽しんでみてほしい^^
まとめ
『久保田』といえば、プレミア酒としても有名だったこともあります
スーパーやディスカウントストアで、定価の1.5倍以上もの価格で販売されていたり、すごい時代でした…
『久保田』を扱う正規特約店のなかにも、ごく一部に悪い酒屋がいましてね
ドンドン横流しをするもんだから、ブランド価値が下がってしまう
今『久保田』の酒蔵さんは大きな局面に立たされているのです
「もっとお客様に美味しいお酒を届けたい」
創業当時から、
『久保田』誕生当時から、
そしてこれからもずっと、
「品質本位、お客様本位」というモットーで
これからも美味しいお酒を届けてくれることを期待したいですね^^
そんな『久保田』の秋の限定酒、ぜひお楽しみくださいませ☆
オススメポイント
- 飲みすぎ注意
- 和らぎ水必須
- 肉厚ぽってり系
- トロッと旨口
- ビギナー向けではないかも…
- 往年の日本酒ファンにピッタリ
- 飲みごたえ重視の方に
- 居酒屋メニューが美味しい
- ぬる燗でも美味しいかも?
- 甘っ辛い料理とベストマッチ
名称 | 久保田 千寿 秋あがり 吟醸原酒 |
読み方 | くぼた せんじゅ あきあがり ぎんじょうげんしゅ |
製造元 | 朝日酒造 株式会社 |
産地 | 新潟県 長岡市 |
原料 | 契約栽培 五百万石 |
精米歩合 | 麹米50%、掛米55% |
アルコール度数 | 19度 |
日本酒度 | +5 |
酸度 | 1.4 |
価格(税込) | 720mlのみ 1,595円 ※弊社販売価格 |