こんにちは!
四代目、土井優慶です
俗にいう「食中酒=料理に合う酒」って表現、よく聞きますよね^^
ついつい僕たち酒屋も頻繁に使っちゃうキラーフレーズ
これって…いったいどんなお酒なの!?
そんな皆様の疑問から「これぞ、食中酒」という一本をチョイスしてみました☆
コレを飲めば”食中酒”の良さがよ~~~くわかる一本となっております^^
今日はコチラっ!
常夏の国、湘南からやってきたっ!!
神奈川県 熊澤酒造 『天青 風露 特別本醸造』
読み方を誤解されている方が意外と多いのですが、『天青=てんせい』と読みます
“あっぱれ”じゃないですからね(笑)
神奈川県は茅ヶ崎にある地元から愛される酒蔵さんです
茅ヶ崎=湘南と呼ばれる地域ですが…ビーチ、サザンオールスターズと”日本酒”には全く関係のないワードがたくさんありますね
でも、関東では名前を知られるれっきとした名酒でございます、ハイ
古民家を移設したカフェがあったり、クラフトビールも作っていたり、蔵直営のレストランがあったり…
フツーの日本酒蔵では想像がつかないスタイルですが、その分、地元民から愛される密着型の酒蔵
この蔵を代表する一本がコレ
製造責任者である杜氏、五十嵐さんが「うちの酒は何か食べたくなる酒」と言い切るその魅力とは…?
一応、日本酒用語の説明も簡単に触れておきましょうか☆
「特別本醸造」は醸造アルコールを添加して造る”純米酒”とは異なる製法でつくられたお酒のこと
このお酒の上位バージョンとして、吟醸、大吟醸が存在します
純米じゃない=米、米麹のほかに醸造アルコールと加えて作る
「酒は純米に限る」という純米教信者の皆様からは見向きもされないのですが、コレはコレでアリ
ほんの少量の醸造アルコールを添加することで
・揮発しやすい香りの成分が定着する
・余韻のキレがよくなる
・口当たりがスッキリする
といった効果がある製法です
酒造りの技術を如実に表す製法なので、新酒鑑評会などのコンテストではいまだに”純米大吟醸”ではなく”大吟醸”を出品することもあるくらい
いかんせん「混ぜモノ」「量をかさ増しした酒」など、適正な評価のされない悲しい製法でもあります(涙)
けど…旨いんですよ!!
早速飲んでみましょうか☆
これは「キレイな酒」ではない…いい意味で。
まず香り…
ふんわりと穏やかで、ちょっぴりメロンやバナナみたいな青っぽい果実の香りがします☆
口に含んでみると…
しっとりとして柔らかくて、心がほわーんと解きほぐされる感じ☆
優しい甘みはほんのりわずかに感じ取れるくらい
後味はフワッと消えてなくってしまってすごくキレイ
ん~、キレイ??
ちょっと違うな…
キレイなんてもんじゃない、もうね「美しい酒」という表現がピッタリ!!
清らかで淡く、柔い…
“純米酒”みたいなボリューム感があって、コクのある感じではないけれど
むしろ!それがイイ!!
じんわりと体に染み入るような味わいですね☆
確かに、お酒単体で飲んでいると「何か食べたくなる」ってのがよくわかります(笑)
合わせたのは蕎麦だけど…
帰宅途中のセブンイレブンで買った『北海道産蕎麦粉使用 ざる蕎麦』
前回アップしたドイツの白ワイン『シルヴァーナ・クラシック・クーベーアー』の試飲の時に一緒にあわせてみました^^
あぁ…やばいねこれは。
スルスル飲めてしまうヤツだ(笑)
蕎麦の風味が、お酒の持つほのかな甘みと呼応してこれ以上ない旨さ
それに、つけ汁との相性もやっぱりイイ
コレ、銀座の蕎麦屋さんで一杯ひっかけるつもりで飲み始めちゃったら”おかわり”したくなっちゃうかも…
行ったことないけどね(笑)
そうそう!
このお酒はね…「出汁」に合うんですよ!!
すっごく評判が良かった”おでん屋さん”のエピソードがあります
当店でお酒を仕入れてくれている飲食店さんから
「おでんに合う酒が欲しい」というリクエストがあって、コレを進めたら…常連さん方からリピートリピートの嵐!
それっくらい「出汁」との相性が抜群!!
蕎麦、出汁巻き卵、白身魚のお刺身、天ぷら(てんつゆでも塩でも)、味噌汁…とりあえずこんな和の料理にはぴったりなのです☆
まとめ
ただね、一つだけ注意してほしいことがあるんです
とても美味しいお酒ですが、誤解を恐れずに言うと…
最近日本酒を飲み始めたビギナーさんには向きませんッ!!
ちょっぴりクラシックな味わいのお酒なので、
だから「フルーティ」「ジューシー」「華やか」なタイプが好きな方には、あまり向かないでしょう
逆にビギナーさんでこのお酒が「美味しい」と思えたなら、すでに味覚レベルが初心者を卒業しちゃってる気もします(笑)
でも!!
日頃から晩御飯の時にお酒を飲む“晩酌派”の方や、しょっちゅう飲むからリーズナブルで旨い酒を求めてる方にはこれ以上ない一本ですよ☆
さあ、日本酒愛飲家の皆様!!『天青』を是非お試しあれっ!!
ちなみに北海道では当店が唯一の取扱店、旭川でしか買えないお酒です(こっそり)
最後になっちゃいましたが…
このお酒につけられた『天青』という名、そしてサブタイトル「風露(ふうろ」の意味…
中国に伝わる故事「雨過天青雲破処」という言葉があります
これは「雨上がりの空のような青さ」という意味
そしてこの青さを表現したといわれる青磁器は、幻といわれるほど珍重されたようです
そしてその青さの一つである“風そよぐ潤った大地と交わる青空=風露”
名前の由来と、味わいがあまりにもぴったり過ぎてなかなか感動的です^^
『天青 風露 特別本醸造』はキレイじゃなく「美しい」という言葉がピッタリ!!出汁を使った和食によく合う美酒でした☆
名称 | 天青 風露 特別本醸造 |
読み方 | てんせい ふうろ とくべつほんじょうぞう |
製造元 | 熊澤酒造 株式会社 |
産地 | 神奈川県 茅ヶ崎市 |
原料 | 五百万石100% 米、米麹、醸造アルコール |
精米歩合 | 60% |
アルコール度数 | 15% |
日本酒度 | +5.5~6.5 |
価格(税込) | 1800ml 2,200円 / 720ml 1,155円 ※弊社販売価格 |